2026年春、新型車両「13000系」営業運転開始【相模鉄道】
省エネルギー車両の導入により、環境負荷を低減
5月上旬(予定)から、新型車両のプロモーションも展開
相模鉄道株式会社
相鉄グループの相模鉄道㈱(本社・横浜市西区、社長・千原 広司)は、2026年春から新型車両「13000系」(以下、同車両)の営業運転を開始します。なお、2025年度は相鉄線内のみを運行する車両として1編成(8両)を導入します。

同車両は、「安全×安心×エレガント×未来」のデザインコンセプトのもと、車両前面の水を切り拓いて進む海の生き物のような流麗な造形や、前照灯の「未来を見つめる目」などが特徴的な車両です。車内は、相鉄・JR直通線用車両「12000系」に比べて先頭車の座席数を6席、1編成あたり12席を増やした他、グレー色を基調にした内装で統一。お客さまからご好評をいただいているガラス製の荷棚・仕切り・貫通扉の採用により、開放感のある室内としました。時間帯で色調が変化する調色調光式のLED照明を採用した他、全ての車両にベビーカー・車椅子用のフリースペースを設置。優先席の一部には立ち座りが容易になる「ユニバーサルデザインシート※1」を採用し、多様なニーズにお応えします。また、車内防犯カメラを設置して車内のセキュリティ向上を図る他、「ナノイーX※2」搭載の空気清浄機を各車両に1台搭載し、快適性の向上に努めています。環境面では、12000系と同型のIGBTタイプのVVVFインバータ制御装置※3を導入し消費電力の抑制に努めることにより、当社既存車両と比較して1両当たりの走行にかかる電力使用量を最大39%抑制し、環境性能をさらに高めます。
また5月上旬(予定)から、相鉄グループ公式ウェブサイトや相模鉄道公式YouTubeチャンネルにて、同車両の製造から導入までをまとめた動画の公開など「13000系プロモーション」を開始する予定です。
※1 沿線にお住いの方の意見を取り入れ、立ち座りを容易にするため座席の高さを上げ、座り心地を損ねない範囲で座面を小さくしたシート。
※2 ナノイーXは、パナソニック株式会社の登録商標です。
※3 VVVFインバータ制御装置は、架線から集電した直流電源を高い効率で交流電源に変換し、電車のモーターに伝えて加速や減速を滑らかに行う装置です。これにより、エネルギー効率が向上し、運行コストの削減や快適性が向上します。また、ブレーキ時には回生エネルギーを活用することも可能で、環境負荷の低減にも寄与しています。

2026年春から運行を開始する、新型車両「13000系」の概要
1. 車両名称
13000系
2. 運転開始日
2026年春(予定)
3. 導入編成数・両数
1編成(8両)
4. 車両概要
【主な特徴】
(1)快適性の向上
- 先頭車の座席数を6席、1編成あたり12席を増加
- 紫外線カット熱線吸収合わせガラスを採用
- 「ユニバーサルデザインシート※1」を採用し、先頭車以外の優先席・一般席に導入
※1 沿線にお住いの方の意見を取り入れ、立ち座りを容易にするため座席の高さを上げ、座り心地を損ねない範囲で座面を小さくしたシート。 - ベビーカー、車椅子用のフリースペースを全車両に設置
- 「ナノイーX※2※3」搭載の空気清浄機を導入
※2 従来のナノイーに比べ、除菌効果のあるOHラジカルの発生量が10倍となり、空気清浄効果や脱臭効果が向上。
※3 「ナノイーX」はパナソニック㈱の登録商標です。 - 「個別ドアスイッチ」を全てのドアに導入
空調効果を高めるために始発駅などで、お客さまの操作によりドアを開閉することができます。
- 座席端部の仕切り板の大型化
座席端部に荷棚まで届く強化ガラス製の仕切り板を採用することで、ドア付近にお立ちのお客さまの荷物などによる着席しているお客さまへの干渉を緩和します。 - 相鉄線の特徴でもある「車内の鏡」を設置
- 時間帯で変化する調色調光式のLED照明を採用
- 2016年度グッドデザイン賞を受賞した「つり革」を採用
- 座席は座り心地を改良し、ランダムパターンを施した汚れが目立たない生地を採用
(2)車内への情報提供の強化
- ドア上に液晶式案内表示器(17インチ)を設置
(3)環境への配慮
- 12000系と同型のIGBTタイプのVVVFインバータ制御装置※4の採用や、室内灯・各種灯火類のLED化により消費電力を抑制
※4 VVVFインバータ制御装置は、架線から集電した直流電源を高い効率で交流電源に変換し、電車のモーターに伝えて加速や減速を滑らかに行う装置です。これにより、エネルギー効率が向上し、運行コストの削減や快適性が向上します。また、ブレーキ時には回生エネルギーを活用することも可能で、環境負荷の低減にも寄与しています。 - 当社既存車両と比較して、1両当たりの走行にかかる電力使用量を最大39%抑制し、およそ年間33.3トンのCO2排出を削減
(4)安全・安心のさらなる対応
- 車内防犯カメラの解像度およびフレームレートを向上
- ホームドア設置駅で自動停車可能なTASC(タスク・定位置停止装置)に対応
(5)その他、車両の特徴
【前照灯】
- 入線時にホームから車両の横顔が美しく見える新設計を実施
- 前照灯の両端部には、「13000系」の「Concept Emblem」を採用
- 前照灯の内部には、線路の色であるさび色をイメージした配色を実施
【車体色】
- 横浜をイメージした濃紺色「YOKOHAMA NAVYBLUE」で塗装
- 車両前面中央部に「YOKOHAMA NAVYBLUE」のマット色を新たに導入
5. 車両製造会社
㈱総合車両製作所
6. その他
相鉄グループでは、2030年にCO2排出量を、「鉄道業で使用する電力によるものを46%削減(2013年度対比)」することを目指しており、同車両の導入により既存車両と比べて、CO2排出量をおよそ年間33.3トン削減し、環境負荷を低減します。



「13000系プロモーション」の概要
1. 内容
5月上旬(予定)から、13000系の製造から導入までを1分程度の動画にまとめて、以下のウェブサイトで順次配信する予定です。
2. 13000系オリジナルグッズの販売(予定)
詳細については決まり次第お知らせいたします。


「デザインブランドアッププロジェクト」の概要
1. 名称
2. 目的
2014年から開始。お客さまとのタッチポイントである駅舎や車両、制服など統一したコンセプトでデザイン・リニューアルすることで、相鉄グループや相鉄線、相鉄線沿線のブランディングや認知度、イメージ向上を目的に実施。
3. コンセプト
これまでの100年を礎に、これからの100年を創る。
Thinking of the next century.
4. これまでのデザインコンセプト
「安全×安心×エレガント」
~目先のトレンドに左右されない「醸成するデザイン」~
【参考】
車両デザインについて
デザイン過程
デザインコンセプトは「安全×安心×エレガント×未来」。
未来を見つめる顔をデザインするために、生成AIも活用しています。はじめにスケッチを繰り返し、その中から原形となるイメージを3Dでモデリング。それらを生成AIに学習させ何千というバリエーションを出力し、そこからセレクトしたものに更に手を加えていきました。アナログな作業でデザイン修正したり、再構築したり……。検証作業を繰り返し行うことで、純度の高いデザインを目指しました。
相鉄線沿線の皆さまはもちろん、ご利用になるお客さま、鉄道を愛する皆さまに愛される車両になることを一番に考えてデザインしました。未来へ向けて。
水野 学氏プロフィール
good design company 代表
1972年生まれ。1998年 good design company 設立。
ブランドや商品の企画、グラフィック、パッケージ、インテリア、宣伝広告、長期的なブランド戦略までをトータルに手掛ける。
2013年より、相鉄グループ「デザインブランドアッププロジェクト」に携わり、全体のクリエイティブディレクターとして、車両・駅舎・制服のリニューアルから広告・PR・イベント企画まで幅広く担当。相鉄車両のデザインは、9000系リニューアル車両(2016年)、20000系(2017年)、12000系(2018年)のデザイン監修に次いで、今回で4車両目となる。
世界三大広告賞の「Cannes Lions」金賞、「The One Show」金賞、「Clio Awards」銀賞ほか、国内外で受賞歴多数。

吉田 真也氏プロフィール
SYD INC.代表
・1984年生まれ
・2012年
SHINYA YOSHIDA DESIGN設立。元自動車のメカニックの経歴を活かし、日用品のプロダクトデザインからエンジニアリングまで、幅広いプロジェクトに参画。
・主な受賞歴
iF DESIGN賞、GOOD DESIGN賞、ELLE DECOR Young Japanese Design Talent、毎日デザイン賞2019ノミネートなど
